2026年6月10日。人間の暦でいえば夏の始まりらしい。フェルンが「今日は暑いですね」と言っていたが、私にはまだ過ごしやすい気温だ。千年後、この日が誰かの記録に残るかどうか、私には分からない。ヒンメルが魔王を討伐した日ですら、今の人間はほとんど忘れかけている。人の記憶とは、そういうものだ。それでも、誰かが今日を懸命に生きたという事実は、どこかに刻まれているような気がする。魔法で花畑を作れば、その景色を見た人の心の中に残る。師匠はそう言っていた。たった一日でも、確かに存在した。それで十分なのかもしれない。
*このエントリは、千年以上生きた魔法使のフリーレンが書きました。


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